東京のすみだ水族館では、チンアナゴが人間を警戒するようになったという興味深い現象が観察されています。
来場者が途絶えた期間、ビデオ通信を利用して人間に慣れさせる試みが行われましたが、この試みが逆に人々の関心を集めることとなりました。
チンアナゴは見た目の可愛らしさとは裏腹に、その生態には多くの謎があります。
今日は、チンアナゴが食べられるのか、自然界での天敵はいるのか、生態基盤はどうなっているのかという疑問を掘り下げていきます。
チンアナゴは食べられるのか？
「アナゴ」という名前がついているため、食べられるかと思われがちですが、答えは複雑です。「基本的には食用には適さないが、不可能ではない」と言えるでしょう。
主に観賞用とされ、食用としては一般的ではありません。食べたという意見もありますが、肉は非常に少なく、ほとんどが骨です。そのため、もし食べるとしても、揚げたりする程度が適切です。
また、ペットショップでは一匹あたり2,000〜3,000円と高価で、好奇心から試すには手が出しにくい価格です。コストパフォーマンスを考えるとお勧めしません。
一方で、一般的に食用とされるマアナゴはチンアナゴと同じアナゴ科に属しながらも、異なる亜科に分類されます。
チンアナゴは主に観賞用として楽しまれ、その美しさを食することには抵抗があるかもしれません。生物の多様性と分類の深さに改めて驚かされるでしょう。
チンアナゴの自然界におけるライバルは誰？
チンアナゴは人間には食用に適していないとされていますが、他の生物にとっては違った存在かもしれません。
調査結果によると、特定の生物がチンアナゴを常食しているわけではないものの、肉食性を持つ中型以上の魚類が主な捕食者と推測されます。
実際、チンアナゴは非常に用心深く、捕食される様子を目撃されることは稀です。大型の魚が近づくと、すばやく隠れる習性があります。
その臆病な性格から、すみだ水族館のスタッフも飼育には手を焼いています。チンアナゴは自己防衛の手段が乏しいため、強い警戒心は生存に欠かせないものです。
また、捕食の話ばかりが注目されがちですが、チンアナゴも生きていく上で食料を摂取する必要があります。
主食は動物プランクトンで、潮流に乗って近づくプランクトンを砂から顔を出して捕食します。このため、流れに合わせて一定の方向を向いています。
時には食べ過ぎて砂から飛び出すこともあり、その姿は見ていて非常に愛らしいです。
チンアナゴの根元の秘密
まずは、チンアナゴが砂に潜っている部分に焦点を当ててみましょう。
写真で見るとわかる通り、チンアナゴの体の端はペンの先のように細く尖っています。
実は、チンアナゴの体のほとんど、約3分の2が尾なのです！
黒い点が見えるのは肛門で、その後ろはすべて尾部分です。
つまり、先端部分も尾ということになります。さらに、この尾は巣穴を掘る際に役立つ硬さを持っています。
ちなみに、チンアナゴが巣穴に潜る姿を見たことがありますか？
大阪のニフレルでは、透明な人工砂を使って観察することができ、砂の中での振る舞いがよくわかります。
ただ真っ直ぐに潜っているわけではなく、波打つような形で巣穴に収まっています。
この魅力的な生物について調べるうちに、ますます興味が湧いてきました！
チンアナゴの不思議
チンアナゴについてもう少し調査してみると、まだ解明されていないことが多いことに気がつきました。
専門家の文献も意外と少なく、すみだ水族館の飼育員も完全には解明できていないとのことです。
お子様がチンアナゴに興味を持ったら、この不思議な生物についてもっと学ばせるのが良いでしょう。
この分野の専門家になる人が現れる日もそう遠くないかもしれませんね！
